倫理審査に必要な書類を入手し、テーマが決まって、プロトコルを書こうと思った。
…あれ、進まない。
こんなことがあるかもしれません。
これは、ストーリーが出来てないからだと思います。
「先ずテーマ」と伝えましたが、よく思い出してください。
テーマを決める前に、「なぜ?」と思ったことがあったのですよね?
これを簡単に文章にすると、
「多くはAであるはずなのに、Bであった経験をした。」
となります。 だから「なぜ?」と思えたわけです。
この後の流れとしては、
「AとBのどちらが正しいのかを調べるために、Cという方法で探った。結果はDだった。」
と続きます。
最終的に知りたいのは、AとBのどちらが正しいのか(あるいは望ましいのか)ということになります。
そこで、
「結果Dより、A(またはB)が正しい(より望ましい)ことが明らかとなった」
と締めくくることが多いように思います。
これは、症例報告でも少し流れを変えるだけで適用できる基本パターンと考えます。
最初にストーリーを作らないと、研究の着地点が見えてきません。
しかし、着地点は一番最初にイメージできているはずなので、そこに向かってどう進めるかを考えればストーリーはおのずと出来てくると考えています。
私は研究活動を始めた当初、文字にしていました。というか、フローチャート的に視覚化していました。
間に文章を加えて行く作業ですので、Microsoft WordでもOS搭載のメモ帳でも構いませんが、デジタルツールを利用したほうが毎回手書きを直さなくて済みます。
先ほどの例で言えば、最初は
- Aのはずなのに、Bだった。
- Aが正しかった、あるいは実はBが正しかった。
となります。
これで、いわゆる「目的・背景」と「考察・結論」が設定されたわけです。
次に、間を埋めていきましょう。1の後で改行を入れ、次の文章を加えます。
- Aのはずなのに、Bだった。
- 結果Dが出れば、どちらが正しいのかわかる。
- Aが正しかった、あるいは実はBが正しかった。
この段階でどういう形の結果があればよいのかを設定します。
さらに間を埋めます。再び1の後で改行を入れ、次の文章を加えます。
- Aのはずなのに、Bだった
- 結果Dを得るには、今回はほかの人がどう思うかが大事なので、アンケートを取ろう。アンケート結果は、こんな手法を使って解析しよう(方法C)
- 結果Dが出れば、どちらが正しいのかわかる。
- Aが正しかった、あるいは実はBが正しかった。
これでストーリーの完成です。
さあ、あなたの「なぜ?」をストーリーにしてみましょう。